羊を逃がすということ

今日ある本が明日もあるように

2025-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【書評】言葉のトランジット | スタックメモリを探索する【グレゴリー・ケズナジャット】

言葉のトランジット 作者:グレゴリー・ケズナジャット 講談社 Amazon 中学の頃、日本語は世界で二番目に難しい言葉だと塾の講師が言っていた。そう言われると、当然ながら一番が気になるところだが、その講師は教えてくれなかった。きっとその人もどこかで聞…

【書評】ヴィルヘルム・マイスターの修業時代 | 憧れを知る者のみが悲しみを知る【ゲーテ】

ヴィルヘルム・マイスターの修業時代 上 (岩波文庫 赤 405-2) 作者:J.W. ゲーテ 岩波書店 Amazon 「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」は、言わずと知れたゲーテの名著である。これまで「若きウェルテルの悩み」、「ファウスト」を読んで来た私にとっては…

【雑談】まだまだ夏だね、文学フリマに出掛けた話

九月中頃に入っても、まだまだ秋の気配は訪れず、それは万博の終わりまで夏であることを努めて維持しようとしているかのようである。大阪万博は、中央線のコスモスクエアのその先、夢洲にて行われる。中央線のどんつきは長らくコスモスクエアであったが、万…

【書評】起きられない朝のための短歌入門 | ストレンジャーであるということ【平岡直子、我妻俊樹】

起きられない朝のための短歌入門 作者:我妻俊樹,平岡直子 書肆侃侃房 Amazon 先日、新潮新人賞の結果発表があった。例に漏れず、私は応募していたのだが、今回は二次選考突破三次選考落ちという結果で終わってしまった。 新人賞に応募しているアマチュア作家…

【書評】ロイヤルホストで夜まで語りたい | 愛されるレストランが当たり前にあるということ【朝井リョウ、平野紗季子、柚木麻子ほか】

ロイヤルホストで夜まで語りたい 作者:青木 さやか,朝井 リョウ,朝比奈 秋,稲田 俊輔,上坂 あゆ美,宇垣 美里,織守 きょうや,温 又柔,古賀 及子,高橋 ユキ,似鳥 鶏,能町 みね子,平野 紗季子,ブレイディ みかこ,宮島 未奈,村瀬 秀信,柚木 麻子 朝日新聞出版 Am…

【雑記】転職活動を終えたという話

現在、ゲーテの「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」を読んでいる。丁度上巻を読み終えたところだが、これがなかなか面白い。ゲーテは「ウェルテル」と「ファウスト」を読んだが、それらよりも好みかもしれない。しかしその感想は個別記事に譲るとして、…